人が集まる会合などでいつも中心になって会話の中にいる人がいます。
よくよく観察してみると、
会話の上手さと話題の豊富さが人を引き付けています。
賢い人なんですね。
話下手だと悩んでいる人、
特にビジネスパーソンにとってはうらやましい限りです。
誰とでも話を合わせる会話のテクニックと雑学とも云える多くの知識を持ち、
どんな場でも盛り上げることができればなんと素晴らしいことでしょう。
きっと異性にもモテることでしょうね。
ところで、
少しでも会話のテクニックを勉強しようと思うなら落語もオススメですよ。
私は子供ころから父親の影響もあって、古典落語が好きでした。
子供の頃はさすがに落語好きな友達は少なかったので、
嫌がる妹相手に噺家さんのまねごとをしたものです。
日本の話芸としては最高のものだと思っています。
落語は、「マクラ」、「本題」、「オチ」からできています。
話はいきなり本題に入るのではなく、
「マクラ」と呼ばれる本題に入る準備のための小噺から入り、
笑いを誘ってお客様の反応を探ります。
人気テレビ番組「笑点」のメンバー挨拶もそのようなものですね。
語りかけるようにコミュニケーションをとっているのです。
ビジネスでいえば、
商談に入る前の挨拶と世間話と同じです。
商談に入る前に、相手の興味、関心をそそる話題から入れば警戒心を緩めてくれます。
初対面のお客様や、知り合ってまだ日が浅いお客様であれば、
共通の話題があれば距離が縮まってきます。
かつて訪問したことのある前任者から相手の情報をとっておくのもお勧めです。
それがなければ、会社のホームページなどで情報を集めておきます。
そうすればスムーズに商談に入れます。
古典落語での登場人物は、「熊さん」と「八っつあん」がおなじみです。
登場人物の軽妙な掛け合いを聞いていると、
日頃の会話の間合いや駆け引きが勉強になります。
特に会話に笑いのネタを入れ込むことができると、
相手との距離も縮まります。
落語では、登場人物のすべてを噺家さん一人で演じ分けます。
道具は扇子と手ぬぐいだけ。
表情、身振り、手ぶり、声の大きさやトーンで話を盛り上げていきます。
プレゼンテーションの場で試してみたくなります。
日本の伝統話芸である落語には様々なネタがあります。
登場人物たちの滑稽ともいえる生活力、
ほろりとさせる人情噺にある良い話、
どれも教訓とも云えるものばかりです。
落語には、
もう忘れ去られてしまった慣習や文化が話の中に多く残っています。
古い時代でも現代でも、
人間の持つ悩みや葛藤は同じようなものだとわかります。
聞いていると、
雑学や人間の生きる知恵を吸収できる損のない話芸でもあります。
日常生活やビジネスに役に立つ話題がいっぱいです。
落語を知ると、日常の何げないことに自分のエピソードを加え、
話のネタとして使えるコツがわかるようになります。
プロのように話のオチまで準備する必要はありません。
少しだけ意外性があれば話は盛り上がります。
コミュニケーションの極意は雑学にありです。